本はオワコンなんかじゃ、ない。『本の逆襲』

本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)

本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)

痛快。こんな言葉は似合わない本だけど、そう感じてしまったんだから仕方がない。

これから本の仕事をしようという方々、そして本の未来が気になるすべての本好きの方々に向けた、新しい入門書

であるこの本を、ひとりの本好きとして読んだ正直な感想。

本の未来は、明るい

出版が不況とか、電子書籍がどうとか、本を取り巻く環境はあまりよろしくないように語られることが多い。 ところが、「本の逆襲」の著者で、ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんは本の未来は明るいと言う。

本の未来と出版の未来は別物!

この文言を読んで、ぐいっと引きつけられた。 確かに、本が売れないとかなんとか言われているのは聞いていたものの、本と出版とは一緒くたに語られていた気がする。

この10年現場で経験したことからも、決して未来が明るくはないということがよく分かりました。しかし一方で、たとえば「飲食業界の未来」と「食の未来」、「アパレル業界の未来」と「ファッションの未来」とが別であるように、「出版業界の未来」と「本の未来」とは、別のものだと考えるようになりました。「出版業界の未来」ははっきり言って暗いけれども、生き残る方法はたくさんあるし、「本の未来」に至ってはむしろ明るく、可能性の海が広がっているとぼくは考えています。

「本」の勢力は実は拡大中

本書の中では、「本」というものの定義を改めて考えている。 電子書籍の登場など、もう「本」の定義というのは曖昧で、領域を広げていってるのではないか。ネット上の情報も本だし、面白いのが「カレーも本だ」というような話が出てくる。

本の定義を拡大して「あれも本かも」「お、これも本と言えるかも」と考えていけば、本との出会い方や本の売り方自体がどんどん広がっていく。 内沼さん自身も、下北沢でB&Bという、ビールが飲める書店を開店したり、本と何かの掛け算から新しい面白さを生み出している。出版の未来は暗くても本の未来は明るい。

そんな中、出版の未来はというと・・・

紙の本の流通の仕組みが現状ユーザーの利便性が第一になってなくて、凝り固まった仕組みでできてるから、出版の未来はあんまり明るくないんだろうとも。 特に小気味良かったのが以下の部分。

売上が下がるのを業界や読者のせいにして、できるはずの努力や工夫を何もせずに、飲み屋で「出版業界は斜陽産業だ」などとつぶやいてきた大人たちも同罪です。暗いのはあなたの未来だけです。どうか本の未来まで巻き込まないでください。

ブログも一つの本かも知れないと考えた時に。

自分がこうやって(他所でも)ブログを書いているとき、ブログ=本という解釈もできるかもしれない。いや、そうだと思って考えてみる。そうなると、自分は立派な「本屋」さん。棚に並ぶ本、すなわちブログそのものや記事一つ一つを選ぶのも自分だし、なにも自分が書いたもの以外でも、面白いと思った他人の文章を棚に挿してみるのもアリかもしれない。

ああ、また面白い視点ゲットしちゃった。本は良い。

内沼晋太郎さんのこっちの本もオススメ

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本

※本記事は別ブログTales of Verifierからの移行です