たとえば飲み屋で知らない中年男性に、「いいか、仕事ってのはな・・・」なんてつまらない話を聞いたところで、毒にはなっても薬にはならないわけです。
ところが、たとえ同じ内容でも
- 知っている人
- 尊敬してる人
- 自分の知っている世界の中でトップレベルにいる人
が話し手となると、とたんに言葉が生命をもつ。
囲碁をちょっとかじった自分にとって、囲碁のプロ棋士である張栩氏はそういう位置づけにある人だ。
野球少年ならイチローや松井秀喜の言うことは輝いて聞こえるだろうし、サッカー少年なら本田圭佑や香川真司の言うことが心に響く。そういうこと。
そんな張栩氏の著書『勝利は10%から積み上げる』からは、プロとしての姿勢を学ぶことができた。
張栩に学ぶ、プロとしての姿勢
ミスをするしないを超えたところで争うのがプロ
どんな仕事でもそうだと思いますが、プロならば、努力すれば間違えないようなシーンでボロを出してはいけないのです。プロの勝負というのは、そこを超えたレベルでやらなければならないと思うのです。
努力すれば間違えないようなシーンでボロを出す、というのは、努力が足りていなかったということ。
アマチュアだったら「反省して頑張る」でもいいかもしれないけど、プロがやってはいけない。
自分のやっている仕事における「努力すれば間違えないようなシーン」はどこか。またそこを超えたレベルで勝負するには何を磨かなければいけないのか。
じっくり考えてみる必要がある。
伸びることで満たされるのがプロ
囲碁のプロは、勝つためやご飯を食べるためだけに囲碁を打っているわけではなくて、「囲碁がうまくなること」それ自体によって充足感を得ている。
囲碁に限らず、どんな職業、どんな役割であってもプロである以上、義務感からだけではなく、その分野の専門家として腕を磨くこと、力をつけることによって誇りや充足を得ていると思います。
ここで、自分の身で考えてみる。
自分はテストエンジニア。テスト専門家として腕を磨くことが出来たら、大きな充足が得られる。
逆に、日々の仕事で自分の腕が磨かれていない、力がついていないと思うと、相当焦るし、正直絶望感すら感じる。
実際、毎日相当に焦っていて、焦りすぎて逆に何もできていない気が・・・。 こうやってブログを書くことによって、ただただ「自分が何かを積み重ねている」という支えを得ているけれども、たぶんこのままではテストエンジニア、テストの専門家としての充足感は得られない。
腕を・・・磨こう。
あたりまえを続ける
本の中では、「あたりまえ」について触れられている箇所がある
あたりまえのことを確実に継続できていると、それは未来の勝利にも貢献する「あたりまえではない強さ」につながるのです。
またエンジニアとして考えてみると、「あたりまえ」なのは、「勉強すること」。 ところが、勉強してないエンジニアは多い。らしい。
だったら、自分があたりまえのことを確実にやっていけば、ちょっとやそっとでは負けない強さが手に入る。
がんばろう、と思える本でした。

- 作者: 張栩
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/08/01
- メディア: Kindle版
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こんな本もオススメ
勝負に対する姿勢やプロ意識といったものは、このお二人の本もかなり近いものがあるのではないか。

勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)
- 作者: 梅原大吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/10/26
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- 作者: 羽生善治
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/07/08
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