上機嫌の作法 / 齋藤孝

上機嫌、というと、なんとなくバカっぽいイメージを持ってしまうことがある。

女優の小林聡美さんも、著書『ワタシは最高にツイている (幻冬舎文庫)』の中で以下のように書いています。

脳みそがいつもハッピーなヒトって、イメージとして、おめでたい、というか、浮かれやがって、というか、落ち着きやがれ的なオーラで、まわりのニンゲンをイラつかせはしないのか。ま、脳みそハッピーと、浮かれ気分でウッキウキというのは、微妙に違うことはなんとなく理解できるが・・・・・・。

ご本人は自称「ツイてる女」として振舞っているうちに、本当にラッキーなことがあったそうですが、こういった感覚はなんとなく理解できます。

しかし、『上機嫌の作法 (角川oneテーマ21)』の中で齋藤孝氏は、「上機嫌と頭がいい状態とは両立する」と言います。

ちまたには不機嫌なバカばっかり

他人のことを言えませんが、今世の中には「不機嫌なバカ」が増えています。

詳しい説明をしなくても、これだけで「ああ、わかるかも」と納得できる方も多いのではないでしょうか。

本書の中では、機嫌の良し悪しと知性の有無の組み合わせ、計4パターンに人を分けています。

機嫌も悪くて知性もない人間は、「アブナイ奴」とのこと。

なぜ不機嫌が増えるのか

頭も良くないのに不機嫌な奴が増えるのは、ひとえに「社会全体が不機嫌に甘い」からだと、齋藤氏は言います。

子どもに何を尋ねてもまともに返事をせず、無愛想に「別に・・・・・・」と答えるだけでも、親は文句も言わない。むしろ腫れ物に触るような扱いをする。社会でも、強面で権力の中心に座っているタイプ、気分を害するとやっかいだな、という人のほうが尊重される。不機嫌にしていたほうが、周りは構ってくれる風潮がある、これは明らかにおかしい。

納得です。まわりが気を使ってくれるなら、不機嫌にする人も増えますよね。だから、不機嫌な奴に甘くするのはやめよう、みんな上機嫌になろう!というのが本書の主張です。

上機嫌を「技化」して、知的な上機嫌になろう

我々が目指すは不機嫌なバカの反対、知的な上機嫌。

ここを目指すために「上機嫌を技化」する方法を学びます。

技化、ということはつまり、「自分で機嫌をコントロールして、上機嫌になることができるようになる」ということです。

気分をコントロールするからだを作ろう

上機嫌を技化するために大事なのは「からだ」だと齋藤氏はいいます。

行うべきことは、大きく3つ。

  • からだを温かい状態にする
  • からだをほぐす
  • からだを鍛える

からだを温めるには、まず食事をすること。そして入浴をすること。自分の機嫌が悪くなってきたと感じたら、まずこの2つを試してみるといいでしょう。

私は残業をすると不機嫌になるということが自分でわかっているので、定時以降に食べるためのおやつを用意して乗り切っています。さすがに入浴はできませんが、おやつだけでも充分な効果が得られています。

つぎにからだをほぐすためには、肩甲骨をぐっと張って、呼吸の通りを良くします。日々ストレッチをするとさらに効果的ですね。

ちなみに、中年の特に男性に不機嫌が多いのは、加齢にともなって身体が凝り固まってきて、そもそも「上機嫌になりにくい身体」になっているからだというのが齋藤氏の主張。気をつけねば・・・

最後にからだを鍛える、ですが、これは文字通り。

徹子の部屋でお馴染みの黒柳徹子さんはいつも上機嫌に見えます。彼女は、ジャイアント馬場さんの「人間は下半身が衰えるとダメになるから、スクワットを毎日行うように」という助言に従い、毎日スクワットをして下半身を鍛えているそうです。

この本を読んで、機嫌を意識するようになりました

基本的な欲求として、私も機嫌はよくありたいですし、知的な人間でもありたいです。

ところが、正直起きてる間は不機嫌な時間のほうが多かった。満員電車で他人と接していると不機嫌になり、仕事で何が言いたいのかわからない質問を繰り返されて不機嫌になり・・・という生活でした。

今までだとただイラっとして終わりだったところが、この本を読んで以降「お、今不機嫌だ。損だな・・・」と気づけるようになったり、また特に不機嫌でないときも「おお、今は不機嫌じゃないな!なんか気分がいいぞ!」というように、マイナスだったところをゼロに、ゼロだったところをプラスにもっていける回数が増えました。少しずつ、機嫌をコントロール出来るようになってきたかと思います。

皆さんも、本書を読んで、自分を上機嫌にする技を身につけてみませんか。

上機嫌の作法 (角川oneテーマ21)

上機嫌の作法 (角川oneテーマ21)